※本稿では『ファイアーエムブレム』を『FE』、『ファイアーエムブレム無双』を『FE無双』としています。
女性のルフレが参戦した経緯
─ 新たに登場が明らかになったキャラクターについてお聞きします。今回も『覚醒』からの発表ですが、まずは女性のルフレから!
臼田 先行してお伝えしたルフレは男性でしたけど、「マイユニットであるルフレは、やはり男女選べるようにするべきだ!」という話になりました。
早矢仕 最初にストーリーを作った時点では、ルフレは男性として出すことになっていたんですけど。
─ それは、なぜでしょう?
早矢仕 イメージ的に「ルフレは男性である」という方のほうが多いのではないか、というのがありますね。
臼田 総選挙でも、ルフレは男性のほうの順位が高かったですからね。さらに言うと、『if』のマイユニットであるカムイは女性の印象が強かったので、対にしたという点もあります。
早矢仕 ただ、やはりプレイヤーとしては男女の両方を使いたいだろう! と。
臼田 ストーリーで登場するルフレは男性で固定ですけど、とあるやり込み要素を進めていくうちに、女性のルフレも選べるようになる仕組みです。
早矢仕 やり込みのごほうびの1つですね。ムービー等でも、ルフレは基本的に男性です。ただ声優の皆さんには、ルフレと会話する時は男性・女性の両方を想定していただくようお願いしました。
─ 能力的には、男女で差はないのですか?。
早矢仕 そうですね。別々のキャラクターではないので、参戦キャラクターの総数でも、ルフレは男女で個別に数えてはいないです。
ティアモとクロム、気になる今作での関係は?
─ そして、ティアモの参戦はサプライズでした!
臼田 ティアモを発表したのは、ペガサスナイトの参戦を早く皆さんにお伝えしたかったからですね。
─ ティアモ登場の経緯については?
早矢仕 『覚醒』のペガサスナイト枠としては、スミアを登場させようかという案もありました。
臼田 ペガサスナイトは他の作品からも参戦しますし、『覚醒』から2人出すのも…という理由もありまして、人気投票でも支持の高かったティアモが参戦することになりました。
─ 本作でのティアモはどのようなキャラクターでしょうか?
臼田 すごく、作りやすいキャラクターでした! 天才肌でなんでもできる一方、「手槍がダサい」などと言われてしまったり、ネタ的なワードにも事欠かないですし。誰もが認める美人という設定ですから、モデルもしっかりきれいに作りこみました。
─ 気になるのはやはり、クロムとの関係性です。『覚醒』でのティアモは、いろいろと報われない面もありましたが…。
早矢仕 その報われない点も、ティアモの人気の秘密かもしれないですね。
臼田 ティアモを参戦させた理由の1つに、クロムとの会話を描きたかったというのもあります。
─ となると、本作ならではのクロムとティアモの会話についても、ファンは期待してもよいと…!?
早矢仕 新たな関係が発展するというわけではないのですが、2人が話をするというシチュエーション自体を楽しんでいただければと思います。
─ 今発表されている『覚醒』メンバーの中では、ティアモは自警団ではないし、立ち位置はやや異なりますよね。ストーリーにはどのように関わってくるのでしょう。
臼田 設定的には、皆すでに知り合った状態で『FE無双』の世界に来ているんです。見知らぬ土地で行方不明になったルフレを探すため、他のメンバーは森を探索し、主人公たちと出会います。ティアモは機動力を活かして偵察に出かけ、寺院で戦いに巻き込まれているルフレを発見する…という展開です。
─ 今作のストーリーは、登場キャラクターがすべて決まってから考えられたのですか?
早矢仕 そうですね。どのタイミングで誰が仲間になるのか、という点も含めてです。
臼田 プレイアブルではないオリジナルキャラクターたちについては、ストーリーを紡いでいくうえで「こういう役割のキャラが必要だな」となった時に、その都度新たに追加していきました。
ペガサスナイトの「飛翔感」へのこだわり
─ ティアモについてお伺いしたので、今作の「ペガサスナイト」自体についてもう少し詳しくお聞きします。空を飛べるという特徴はかなり大きいと思いますが、『FE無双』ではどのように活躍してくれるのでしょう?
臼田 常時飛んでいるキャラクター」であることを表現しつつ、『無双』のアクションとしても気持ちよく遊べることを目指しました。特に、飛翔感の表現には苦労しましたね。あまり高く飛び過ぎると、そもそも攻撃が当たらなくなってしまうので…(笑)。
─ 原作では、かなり高くまで飛びあがることができますしね。
臼田 最終的には、攻撃を繰り出す基本コンボの最中では低空飛行に、移動時はそれよりも高く飛べるようにしてあります。また、敵を高く打ち上げれば、空中コンボを繰り出して一方的に攻撃できます。こうなれば、ペガサスナイトの独壇場です!
早矢仕 今回は、ペガサスナイトの持つ「ユニットとしての癖の強さ」も再現できればと思いました。
臼田 空を飛べるのは大きな長所ですけど、機動性に任せてただ突っ込んでいくだけでは苦戦する場面もあるかもしれません。
─ なるほど。移動時も、空中を飛べることが利点になるのですか?
臼田 深い谷など、ペガサスナイトだけが進めるショートカットもあります。「ダブル」で他のキャラクターを乗せて、谷を渡ったあとで降ろす…ということも可能です。
─ ステージを作成する時も、ペガサスナイトの影響は大きかったのでは?
臼田 担当者は苦労していたと思いますね。例を出すと「川」でマップを区切ることができなくなりました。ペガサスナイトなら、川程度は飛んで越えられるでしょうし。
早矢仕 すべて飛び越えられてしまうとさすがにゲームにならなくなってしまうので、山や壁などで区切られている部分は越えられないようになっています。
臼田 一度「ペガサスナイトでも越えられない」ことを分かりやすくするため、壁の高さを上げてみたんですが、相当な高さになってしまって…。
早矢仕 閉塞感がものすごかったですね(笑)。
臼田 ちなみに今回は指示画面で「ユニットにカーソルを合わせる」操作が必要になるため、ステージを作る時はまずマス目を書いて、そのマス目に合うように作っていきました。