2015年8月号 Splatoon(スプラトゥーン)
Splatoon(スプラトゥーン)
発売直後で対戦が盛り上がるさなか、イカ研究員に突撃取材!
※このインタビューはニンテンドードリーム2015年8月号(6月20日発売号)に掲載されているインタビューを抜き出したものです。全編は本誌でご覧ください
任天堂 情報開発部
野上 恒さん
プロデューサー。イカ研究員のプロフェッサーN氏とは...関係なイカもしれない。
任天堂 情報開発部
天野裕介さん
ディレクター。主に企画、進行など全体のまとめ役として参加。
任天堂 情報開発部
阪口 翼さん
ディレクター。主にプレイヤー操作など、手触りを中心に担当。
ランクではない、行動の傾向が似ている人で対戦が組まれる
―― 発売おめでとうございます! 私たちもイカ楽しませていただいてます。イカフィーバー、始まりましたね!
野上 ありがとうございます。予想以上の反響をいただけてうれしく思っています。
―― かなり手応えを感じていますか?
野上 そうですね、とても熱を感じます。
※ここから対戦の体験談に花が咲くが、とても長くなったので、もろもろ省略しました。(本誌でご確認ください)
―― 対戦のマッチングはどういう仕組みで決められているのでしょうか?
天野 レギュラーマッチはプレイスタイルの似ている人同士がマッチングするような仕組みになってます。
―― ランクではないんですね。
野上 ランクはどれだけ長く遊んでいるかという「熟練度」の指標ですから。そのうち誰でもランク20になるじゃないですか。
―― では、敵を倒してる人同士とか、あまり倒さず塗るのがメインの人同士で集まりやすくなると...?
天野 そんな感じです。
―― 手もとのマップを見られる余裕ができると、プレイがガラリと変わりますよね。
阪口 そうですね。まずは復活した時にちゃんとWii U GamePadで状況を確認して...。ロビーから入れる"さんぽ"モードもあるので、対戦の前に有利なポイントを探してほしいですね。
野上 さんぽの時、自分のブキの射程がどのぐらいなのかを把握しておくといいですよ。「向こうの高台にいる敵倒せるじゃん」みたいなこともわかりますよ。
天野 そこも計算して地形を作っているので、このブキならギリギリ届く、といったポイントを見つけられますよ。
ステージを限定するのも「熱い展開」を呼び込むため
―― 対戦ステージが2つに絞られ、4時間に一度入れ替わる仕組みにした理由は?
天野 すべてのステージからランダムに選ばれると、みんなどこでも同じように立ち回れる「最大公約数」のブキしか選ばなくなると思うんですよ。だけど2つに絞ることで、「この2ステージならチャージャーでガンガンいけそう」とか、使いたくなるブキの選択肢ができるんです。3個以上になってしまうと、オールラウンドで使えるブキに人気が集中してしまう。
―― いろいろなブキを使ってもらえるように、ということなんですね。
天野 あとこのゲームってスポーツみたいなもので、遊んでいく中で自分がゾーンに入っていくというか...。より気分がノッてきて対戦に意識が集中していくよう感覚があって。全員がその状態の時が一番面白いんですよ。なので、なるべくみんなのパフォーマンスが最大化できるような形で、オンライン全体の仕組みを作っています。
阪口 勝った負けたというのはありますが、それよりも「熱い展開」っていうのをみんな求めてると思うんですよ。地形とかブキとかの状況を把握して、それぞれのプレイヤーが「俺はこういう風に動く」「じゃあ俺はこっち」という感覚で動いて。それがネットワーク越しに伝わってくると思うんですよ。それが天野の言う「ゾーンに入った」状態だと思うんですけど。
天野 そうです、それそれ。
阪口 地形をよくわかっていない人だとそれは生まれないですし、繰り返し遊ぶことによって徐々に温まってきて、その熱い展開がようやく訪れるんです。うちの奥さんも遊んでますけど、ず~っと対戦してるんですよ。たまに「もう1回勝ったらやめる」って言うんですけど、勝ってもやめないんです!
―― すごくわかります!!
阪口 結局勝ち負けじゃなく「熱い展開」が訪れた時にミッションコンプリートみたいな。すごく満足できると思うんですよね。
―― 敵の裏をかいて倒したとか、自分の中で決めた展開ですね。
阪口 僕は先にふとんに入っていたんですけど奥さんはまだ遊んでて。そうしたら、残り時間10秒くらいで奥さんがトルネードを落とした音がして...。勝利のBGMが流れて、ゲームをやめて寝室に戻ってきました。
一同 (笑)
「ガチマッチ」は対戦に慣れてからのほうが断然楽しいから
―― ルールを少しずつ増やしていく狙いも、場を温めるためですか?
天野 たとえばサッカーもフィールドは1種類しかないし、ルールも1つじゃないですか。でもみんなそれを繰り返していて、熱い展開が訪れている。同じ状況を繰り返すことで、自分のプレイが上手くいったかどうかを意識しやすい状況をつくることができると考えています。そうすることでみんなが最高のパフォーマンスを出して、熱い展開を起こせるのが一番面白いはず。そのためには、まずはユーザーの方がルールやステージに慣れて、できるだけ上手くなるような環境を用意したほうがいいと考えました。
―― ゲームを買って最初にいきなりガチエリアをやっても、「あれ? どうすればいいの?」ってなっちゃいそうですもんね。
野上 やっぱりナワバリバトルのほうが遊びとしてわかりやすいので、基本をつかんでいただいてから、ちょっと違う戦い方を...という感じで。ガチマッチもすごく面白いものにできたと思うんですけど...ある程度ブキや地形を把握していたり、立ち回りを知っているほうが絶対に面白いと思うので。
天野 あと、ガチマッチは勝ちたくなる気分が高まる仕様にしてるんですよ。ナワバリバトルは負けても自分がやった分がポイントになりますけど、ガチマッチはほとんどポイントがもらえないですし、勝たないと「ウデマエ」ポイントが下がります。要は、勝ちたい人が集まるモードと、楽しく遊びたい人のモードを意識的に分けているんです。なので、そのときの気分で選んでほしいですね。
―― 今日はガチの日!みたいな。
野上 ガチマッチを遊んでいると、めちゃめちゃ面白くて、血が沸騰するんですよね(笑)。沸騰しすぎてすごく疲れちゃうんですが(笑)。
追加ルールはまだまだアリ研究成果をお楽しみに!
―― ガチマッチの「ガチエリア」が解放されましたが、今後は様子を見ながらアップデートしていく予定ですか?
阪口 そうですね、「ガチヤグラ」、「ガチホコ」と...。
―― その2つのルールはどういうものなのでしょうか?
野上 「ガチヤグラ」はSplatoon Directでも紹介がありましたが、ステージの中央にヤグラがあって、どちらかのチームのイカが乗ると相手の陣地に向かってレールを進んでいくんです。それをゴールまで押し込んだら勝ち。ただ、ヤグラに乗るプレイヤーは相手のいい標的になりますから、激しい戦いが予想されます。味方のプレイヤーがいかに守るかがカギですね。(※ガチヤグラは7月2日より配信開始となりました)
―― 試合時間は...?
野上 ガチマッチはすべて5分です。
天野 5分以内に最後まで押し込んだら終了、KO勝ちです。
―― 「ガチホコ」は、Splatoon Directでしゃちほこの絵だけ出ましたね。
阪口 「ガチホコ」はまだイカ研究所でも研究中です(笑)。
天野 だいぶ解明されてきましたが、まだもう少し研究が必要なようで...。
阪口 あれが何なのか、という(笑)。
―― 「ガチホコ」って名前が先にわかったんですか。
野上 そうらしいです(笑)。
カスタマイズやジャッジくん、クロギャル?ゴツギャル?といったブキのお話など、続きはニンドリ8月号をご覧ください!